Over Bridge

「時間のつくり方、つかい方」を考える。

お金とは?

寒い日が続く。明後日の出発の前に風邪をひいてはいけないと思う中での夜更かしである。

出発前にここ1か月の自分を振り返ってみた。
本当は今頃はタンザニアで素材調達をしてたんだよなー(10月29日に出発するつもりだった)。

<10月>
・黄熱病の注射が予約いっぱいで予定の2週間後に予防接種した。 
・格安航空券が格安ではなくどうしようもないまま先輩から融資してもらった。
・注射後に熱に罹る。 

いかんいかん、もっと綿密に計画を立てなければと思うのだが、遅れた分、いろいろな先輩から助言をいただいた。 

特に外資系銀行で働いているHさんには本当に助けていただいた。
「融資をするからには利益を如何にあげるか俺を納得させろ」
どうやって利益をあげるか、今回の場合はサンダルビジネス。
すこし具体的に話すと、
タンザニアで生産したサンダルを日本で販売する
ということだ(具体的でなかったらすみませぬ)。

しかしじつはこの文章はさまざまなコストと収益構造とを内包している。 
まずはどんなサンダルで勝負するか。
一概にサンダルといってもカジュアルサンダルもあればビーチサンダルやサイケサンダルなどがある。それぞれのジャンルの中で、タンザニアという国柄を活かし、かつ他のサンダルと差別化を図ることのできるものは何か。コンセプトやサンダルのジャンル別マーケットシェアなどを考える必要があった。

そしてタンザニアから日本へサンダルを輸送するということで、物流コストが発生する。しかも個数によって段ボールの数も変わるということで数量を定める必要もある。

そのほかにも販売チャネル(どこで売る)や財務分析(PLに落として売上とコストを一覧にする)などいろいろとあって、このような戦略を2日で考えろと言われたときは内心不安になった。

何とか完成して先輩に見てもらって、原価は何円までにするのか、交渉や契約のシミュレートは行ったかなども聞かれて、やるべきことはたくさんあると痛感したのである。
 
いつも夜の12時頃に会社帰りの先輩と居酒屋でこんな話をした。そして朝の3時頃に居酒屋を出て先輩の家までいっしょに歩いて話す。
 「おまえ、体には気をつけろよー」
 「Hさんこそ、たまには休んでくださいよ、俺のせいでこうして真夜中あるいているんですけど・・・」
そしてとりとめのない途上国で何が出来るかという話は続き、先輩の家の前でお別れをする。

「じゃあな」
「ありがとうございました」
 
自分の選択が正しいのか、それとも企業に入った方がいいのか。
先輩は自分の仕事にやりがいがないと居酒屋でつぶやいていた。投資銀行という、企業を右から左へ流して他の企業とくっつけることをして莫大な金額を動かしている人だ。だけどそんなことをして何になるんだろうと話していた。

しかしふたりで話しながら歩く道は楽しい。満月の下の街路樹のもとでの暗夜行路。しかし始まりがあるものにはすべて終わりがある。そして無駄なことは実は無駄じゃない。そして何かを得ることは何かを捨てること。

幸せとは何なのだろうと考えると家についたのだった。