Over Bridge

「時間のつくり方、つかい方」を考える。

本読了

久しぶりのブログだ。

日々のアウトプットをきちんと見える形でだそうと、本を読んでの感想をつづる。

 

1.経営に終わりはない

経営に終わりはない (文春文庫)

経営に終わりはない (文春文庫)

 

 著者の藤沢武夫本田技研本田宗一郎と二人三脚で世界的な規模の会社に育て上げた人だ。

技術屋でオヤジと愛称を持たれた本田宗一郎、そして実質的な経営者とされた

藤沢武夫の関係、そしてどのような軌跡をたどって世界的な企業にしていったのかに興味があったからだ。

以下は読む中で印象に残った文章を記載する。

・経営の経の字はタテ糸

経営の経の字はタテ糸・・・営の字のほうは、さしずめヨコ糸でしょう。縦糸がまっすぐに通っていて、はじめてヨコ糸は自由自在に動く。・・・これが「経営」であると思う。・・・このタテ糸を性格づけたのは本田のヒューマニズムであり、私のロマンシズムだったといっていいでしょう。

 

・社長には、むしろ欠点が必要・・・欠点があるから魅力がある。

そしてこの後に続く文章が本田らしさを作っていると思う。それは技術屋が社長になるべきだというもの。これは今も本田の伝統であるが、なぜ技術屋が社長になるべきなのか。それは「生産企業はどうしても技術が主体・・・人のやっていることが理解できる・・・世界的な観点から理解できる人材が社長になるべき」ということ。

 

この他にも非常に示唆の富む言葉があふれていて、たたき上げの実業家だからこそリアルな自分の言葉がたくさんあった。

全体としてこの時代の代表的経営者であるSONY井深大盛田昭夫と同じ匂いがした。

それは、

・従業員の能力を最大限発揮できる組織づくり(本田の研究所・SONYの設立趣意書)。

・会社は社会のためにあるものであり、社会>会社>自分たちという思想が徹底している。

・環境の変化に敏感に、(当時だと)自分たちの哲学だと思われそうなことも環境の変化を冷静に見つめて対応する。

ということだと思う。

 

常に自分も社会の中から見た企業、そして自分の活動を意識しないとと感じる。

またことあるごとに読み返すであろう。非常に有益な本だった。